NECソリューションイノベータ株式会社
JobRainbowのLGBT研修を実施したきっかけは何だったのでしょうか?
森さん(以下敬称略) : LGBT研修実施前の弊社には「ダイバーシティ推進を自分事出来ていないメンバーが多い」という課題感がありました。「話には聞くものの、実際それがなぜ重要なのかまではわからない」と表面的な理解にとどまっていたといいますか…。
ダイバーシティ推進室長 森さん
森 : そこで、JobRainbowさんがD&Iアワードなどダイバーシティ推進に取り組まれているのは耳にしていたので、まずは社外向けのセミナーに参加してみました。そのセミナーで、組織におけるダイバーシティ推進の重要性が非常にクリアになったと同時に、これほど質が高いセミナーを実施している企業の研修であれば、安心して弊社でも実施できるな、と思い、JobRainbowさんの研修を実施しました。
管理職や人事担当者だけを対象にすることもできたのですが、研修を受けた特定の層だけが周りにティーチングするよりも、社員全員にそれぞれにとっての一歩を踏み出すきっかけを手にしてほしかったので、全社員向けの研修を選びました。
実際に受講してみて、どういったポイントが魅力的でしたか?
木内さん(以下敬称略) : 実例を交えながら、LGBTについて身体的性、性自認、性表現、性的指向の4軸から整理されていたのが凄くわかりやすかったです。話を聞きながら自然と「自分自身はどうだろうか」と考えられる設計になっていて、受講者からは「自分事に落とし込めた」と好評でした。
「職場でこういうことがあったらどうしますか」というワークでは、「確かにこんなシーンあるだろうな」とリアルなケーススタディがあり、「言われてみればどうすればいいかわからない…」と悩む場面も多かったです。研修を受けたからこそ、ダイバーシティ推進を担当する人間として、仲間のためにどう行動すればいいかがより具体的にイメージできるようになりました。
ダイバーシティ推進担当 木内さん
森 : 「LGBTは”いない”んじゃなくて”言えない”だけ」という話は、特に心に響きました。人事担当者として、カミングアウトしたくてもできない人が「リスク」と捉えるポイントがないか、職場環境をつくっていくうえでのものさしが1つ増えたような感覚です。
また、ウェビナーという形式面もありがたかったですね。弊社は北海道から沖縄まで全国各地に拠点があり、一堂に会することは物理的に難しいので。社員からは「メンバーで『この課題ってうちの職場でもあるよね』など共感しながら聴けたのでありがたかった」という声もいただいています。
木内 : また、強要される感じが全くなかったのも魅力的でした。「考え方を変えることはできなくても、言動を変えることはできます」ということを、日常会話で使う柔らかい言葉で伝えてくれたので、押しつけがましくありませんでした。研修って、講師が一方的に壇上から知識を「教える」ことが多くなりがちですが、JobRainbowの研修では講師が双方向かつ等身大でお話しするような形で、目線が同じ感じがするんですよね。染み込んでくる感じといいますか、「あ、出来ることからやっていこう」と自然に思えました。
受講後、社内は具体的にどのように変化したでしょうか。
森 : まず、驚いたのは受講後アンケートの結果でした。なんと、受講した全員が「とてもよかった」か「よかった」と回答したんです。弊社でも様々な研修を行ってきましたが、これは過去に例を見ないですね。研修の最後にあった「アライになることは特別なこと・難しいことではなく、出来ることから始めればいい」という部分で心理的なハードルが下がった方が多いようです。
木内 : その証拠と言ってはなんですが、貼ってアライであることを表明できるアライシール*は、追加発注が必要なほど社員から要望がありました。
*JobRainbowの研修では、研修受講者の人数分のアライステッカーを研修実施後にプレゼントしています。
木内 : 若手社員だけでなく、全世代の社員が自然とそういった行動をできていて、各職場でも「これで困っている人っていないかな?」と既存の環境について話が生まれていて、嬉しい限りです。
ある社員は「アライということを簡単に表明してはいけないと思っていた」と言っていて、難しく考えすぎずにまずは寄り添ってみればいいと研修を通じて多くの社員に知ってもらえたのかなと思っています。
私自身、今回の研修でLGBTを入口に、自身の無意識な考えのクセや枠組み(アンコンシャスバイアス)に気づけましたし、より広い多様性について学ばなければいけないな、と身が引き締まりました。
LGBT研修を導入するか悩んでいる担当者の方へ、メッセージをいただけないでしょうか。
森 : 企業としてLGBT研修を導入する際議論になるのは、「マイノリティだけにスポットを当てるのは”特別扱い”のようになってしまうのではないか」という点です。
確かに、LGBTというテーマに限ると、特定の人にしか関係ないと思われがちです。しかし、1つのテーマを入口としてすべてのマイノリティについて考えられるのがLGBT研修です。本質的には誰もが何らかのマイノリティであって、研修受講によるメリットは全社員に関係があります。一人ひとりが活躍して力を発揮できることはあらゆる企業が目指していますし、その取り組みこそが各自の働きやすさにつながっていきます。正直「導入しない理由がない」と思います。
木内 : 「メリットがあるかわからない」「効果を実感できるのだろうか」と悩まれる方もいると思います。まずはやってみて、どのような効果や反響があったのかを知るところから始めてみるのがいいのではないでしょうか。
受講者の声
中村さん(以下敬称略) : 先に細かい部分で言うと、Web上での研修だと資料にしっかり目を通せますし、メモも取りやすいので、一度の受講でしっかりと身体に染み込んだ実感がありました。研修なのに「上から目線」を一切感じなかったのも新鮮でしたね。
受講者の中村さん
中村 : 肝心の内容についてですが、まず性のあり方に対する理解が深まりました。恥ずかしながら、そもそもセクシュアリティとは誰もに揺らぎがあって、必ずしも0か100かといった話ではない、とは知りませんでした。
そして、セクシュアリティに関する概念的な話から体験談・ケーススタディへと進んでいき、気がつけば自然に「自分や身の回りの人についてはどうだろう」と考えられていました。知識を得たというよりは、見えていないことがこんなにもあったんだと気づかされたと言いますか。
今まで「目に見える違い」は生活するうえで「見える」からこそ考える機会がありました。しかし、バックグラウンドや思想といった「目に見えない違い」だって誰もが持っていて、自分だけが無関係なわけはないよな、と思考の枠が広がった気がします。LGBTはあくまで一例だと思いますが、「知らない」ことで誰かを傷つける加害者となってしまう可能性があるからこそ、自分の知っている世界が絶対だと思ってはいけないな、と研修を受けて自覚的になれました。
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