事例・実績

ワンストップでアドバイスしてくれる安心感。渋谷を拠点とする不動産会社の「誰もが働きやすい」には、LGBTQへの視点がありました。

作成者: JobRainbow|Jun 15, 2022 4:50:30 AM

東急不動産株式会社

全国でいち早く同性パートナーシップ制度を導入した渋谷に本社を構える、東急不動産株式会社。進んだ取り組みでPRIDE指標のシルバーも取得した東急不動産は、なぜLGBTQに対する取り組みを進めようとしたのでしょうか。また、なぜJobRainbowのサービスを利用するに至ったのでしょうか。

人事部で研修やダイバーシティ推進を担当する堀口さんと、新卒・中途の採用業務を担当する熊谷さんに話を伺いました。

LGBTに対する取り組みを始めようとしたきっかけを教えていただけますか?

堀口さん(以下敬称略)「全従業員が働きやすい環境」を実現する一環です。弊社の本社がある渋谷区は、国籍・年齢など問わずあらゆる人々が来てくれる街を目指しており、同性パートナーシップ制度も他の自治体に先駆けて整えました。そのマインドが私たちにも根付いているのでしょうか、LGBTQだけに注目して取り組みを始めたわけではなく、「全従業員の働きやすさ」について考えた時、女性社員、育児・介護をする社員……と挙がる中で、自然とLGBTQの社員も挙がったのです。

数ある企業・団体の中からJobRainbowを選ばれた決め手は何でしたか?

堀口サービスが多岐にわたっているからですね。「まずどういったところから始めればいいんだろう?」と調べるなかで、弊社同様渋谷を拠点としている御社を見つけました。

弊社にはダイバーシティ推進専門の部署はなく、人材開発担当が社内のダイバーシティ推進から採用までを担っています。御社は採用・コンサルティング・外部相談窓口など多岐にわたるサービスを提供していらっしゃるので、人材開発の業務全般をワンストップで見てくださりそうだな、と思いお話を伺いました。

 

熊谷さん(以下敬称略)昨年PRIDE指標のシルバーを取得しましたが、学ぶべきことはまだたくさんあります。ダイバーシティを推進するにはどんな場面でもLGBTQに関する知識は必要ですし、専門的な知識を持っている方に一貫して見ていただけるのは安心感があります。説明に必要以上の時間を割く必要がなく、取り組みを進めやすいです。

 

だから様々なサービスをご利用くださっているのですね。

堀口社内規定を変えるためにやりとりをするなか、他の部分にも目がいくようになりました。取り組みを始めたばかりの弊社がどんな状況で、どういう方向を目指しているかを把握していただけているからこそ、わざわざ個別で他社さんにお願いするより一括で御社に任せる方が安心だな、と考えました。説明の手間なく適切な提案をいただけますから。

 

取り組みを始めたことで、社内に具体的な変化はありましたか?

熊谷今までは、商業施設でジェンダーレストイレの導入やピクトグラム・接客マニュアルの変更を行う際「なぜやっているか」の説明が不十分でした。だから従業員に伝わっているかいないか、不透明でした。しかし、PRIDE指標の取得を目指して動いてみると、社外よりも従業員やお取引先さまから「こういう努力してたんだね」とはっきり反応をいただけるようになりました。

堀口弊グループ(東急不動産ホールディングス)でPRIDE指標を取得している企業はまだ少ないのですが、取り組みを始めたいという意見も出始め、グループ合同のミーティングなどで取り組みを共有しています。「取り組む」と「浸透させる」は異なりますし、多くの場合後者の方が難しいでしょう。しかし、対外的な取り組みを通じて、社としての姿勢を社内に知ってもらうことが浸透につながるな、と感じています。
もちろん社外にも影響はあります。来週には、弊社の取り組みを知って問い合わせてくださった同業他社の方とお話する予定です。

 

堀口JobRainbowさんのeラーニングを全社で導入しているのですが、今年入社の新社員たちからの反応が非常によく、「社内研修の中で一番気づきがあった」「ダイバーシティについて知ってはいたがきちんと学んではこなかったので、社会人としてこういう意識を持つべきだとわかってよかった」といった声が上がりました。

 

取り組みがうまくいっていない、取り組むべきか悩んでいる、といった企業にメッセージをいただけますか?

堀口LGBTQや介護って自分から言い出せないこともあり、「周りにそんなにいないのではないか」「本当に今必要?」と思われてダイバーシティ推進では後回しにされてしまいがちです。いろんな状況で働く人がいて、当事者は身近にいる、ということが可視化されると話が進んでいきます。そういう意味では、新社員から役員まで見られるeラーニングは、階層に関わらない理解促進につながりました。

とはいえ意識改革は、非常に難しいです。規定を変える・PRIDE指標を取得するなど「形から取り組む」ことが会社としての意思表示となり、後から現場の意識がついてくる……なんてこともあります。

 

熊谷人事部に来て思ったのは、多様性ってそもそも好き嫌い・得意不得意などではなく、身近に当たり前にあるものだということです。であれば、「専門の部署がないからうちではできません」で終わらせず、いち企業人としてSDGs同様、学んでいく必要・義務があります。

「プラスアルファの業務が増える」と認識してしまう方も多いですが、思っているより労力はかかりません。事例がまだ少ない中、企業として最初の一歩をどう踏み出せばいいかわからないのは、どこも同じです。どの企業もその段階を乗り越えているわけですから、何も恥ずかしいことではありません。それこそJobRainbowさんのような、知識のある方・企業さんに話を聞くところから、じっくりと時間をかけて進めてはいかがでしょうか。

 

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